今回は、タンブラーや水筒に印刷する方法について、記載させてもらっています。
印刷で大事にすべき点
・「剥がれてはダメ」とは言えず、「剥がれたほうが都合がいい」場合もある
・「コストが安ければOK」と安易に言えず、「本当にそれでいいのか」が大事
・「コストの最適化はこれだ!」とは言い切れない
結論だけ先に言っておきますと、予算価格と使用用途・使用内容に印刷方法も最適解すべてが変わってきてしまい、正解は対応している使用用途ですべて変わってきてしまう。お客様の対応をしていく中で学んだ点を以下に順を追ってご説明していきます。
「剥がれてはダメ」とは言えず、「剥がれたほうが都合がいい」場合もある
この案件は、ノベルティーの名入れの仕事での一場面になります。
被材料:ステンレスサーモスの水筒
印刷色:2C(色通しが重なり合わず、離れていた事例)
糊の転写シートにUVインクジェット(フラットベッドタイプ)にて印刷
印刷後、ボトルに張り付けて不要な糊部分は除去。そして箱に詰めて納品
納品後、担当者から連絡が入った。「印刷部分が食洗器に入れたら、はがれた」
正直、お叱りを受ける!と思っていたら、記念品を受け取った方からは、結果的に使いやすくなって喜ばれた。という話だった。
※食洗器での洗浄は不可。と、事前に伝えていたのだが…いつも通り洗う時の行動として、やってしまったそうです。
ノベルティーに名入れ印刷を施した企業からしたら、想定外の結果だったはず。
しかし、ノベルティーを記念品として受け取った側としては、名入れの柄が剥がれて無くなり、
ロゴや企業名が消えて、ただのボトルとして使いやすくなった。
商品に名入れを後からした場合、印字した部分だけが経年劣化や摩耗等で部分的に残ってしまう。
そんな中、糊転写の方法であれば、ある一定の期間は名入れの絵柄が残っているが、糊の耐久力が落ちてくると剥がれ落ちて取り除くことができる。
使用用途にもよるが、高価な品物に一時的に名入れを施し、その後は名入れ部分を剥がしてしまい、商品の本来の姿で使用したい。といった使用用途には向いている方法として提案ができそうです。
印字が剥がれ落ちることを良しとしない仕事が大半なので、剥がれ落ちてはダメな仕事の場合は、確実な方法で印刷が必要。
「コストが安ければOK」と安易に言えず、「本当にそれでいいのか」が大事
自社に頼まれた商品を安く、利益が少しでも多く残すために協力会社に要請し、金額を抑えてきた場合、協力会社が市場競争に耐えられなくなり、廃業や倒産につながる場合がる。
その場合、協力会社と、その技術、設備、資材の仕入れルート、その企業が実行してくれていた作業時間、人脈、そのほかを失うことになる。
安いこと以上に守るべきものを残す。といった視点を持ってないと、必要なものの価値まで叩き潰して消してしまわないように「関わり合いの仕方」についても配慮しながら、仕事を考えて回す必要があります。
潰してしまったものは元には戻らず、自分で設備を購入し、技術を身に着け、時間を捻出する必要も出てきます。
それが無理であれば、同じ様な設備と技術を持った企業を探し始める時間と、関係性を作る所から始める必要があります。
「コストの最適化はこれだ!」とは言い切れない
印刷にも最短ルートがあります。
それは、どの状況で使用されるので、この処理が必須。
と言い切れることが重要。
印刷前の処理や、印刷後の後工程の処理で必要な処理を理解しないまま、やみくもに処理を施しても労力と時間とお金がかかってしまう。
印字するための手段の選択は慎重に吟味して選択する必要がある。
車に社名を入れたいという仕事の場合
①シルク版を作成し、車に直接印刷をする方法
(サイズにもよるが、版代として8000円。印刷代や出張費は別途)
②カッティングシートで会社名をカットして、貼り付ける方法
(サイズにもよるが、材料費が1500~3000円かかる。施工費や出張費は別途)
価格面でいうなら、②の方が安い。と安易に思ってはないだろうか?
その理由として、誰も台数のことは言ってないからだ。
20台の車に印字した場合、断然①の方が作業時間的にも短時間で終わる。
②の場合、会社のロゴが複雑な文字であれば、事前準備として、カス取り作業を20台分同じ作業する必要がある。
①の場合は、シルク版をもっていってインクをつけて現場で20台を印刷するだけ
なら、①番ってこと?と思ったかもしれない…
さらに条件を付け加わえた場合、さらに状況は変わる。
印字場所だ。海外の場合や遠方になるとまた話が変わる。
①の場合、サイズが大きいシルク版を持ち運ぶのは労力がかかる。
②の場合は、カットシートをロール状に丸めて運び、現地で施工したら終わる。
事前準備は面倒だが、荷物が少なくて持ち運びができる
~結論~
台数の少ない場合は、②のカッティング
台数が複数台になり、コスト的、運搬の距離的に合えば①のシルク印刷になる
様々な条件を加味したうえで、最善方法を選択することこそが、最適解になります。
タンブラーや曲面印刷にする方法として
いかがでしたか?印刷といっても、それ印刷って言えるの?
と思われたかもしれませんが、「印字する事」としては、絵柄が伝わる手法としては正解となると思います。
インクを使った方法のみが印刷とは言い切れないと思います。食紅や染色、セラミックの粉、細かい繊維+のりで再現するときもあります。
タンブラー等に曲面に印字する方法として
・パッド版で転写(範囲が小さい5cm程度がメジャー)
・シルク版(曲面印刷用の設備が必須)
・カッティングシート
・転写シート貼り付け
・レーザー彫刻(回転オプション装置が必須)
・UVインクジェット印刷(回転オプション装置が必須)
方法として、私が知っている内容としては、こんな感じでしょうか。
ではまたの記事にてお会いしましょう!