ボールペンに名入れ印刷する方法について、メリット・デメリットを解説していきます。
私のおすすめ方法は、1色で100本以上作成する場合、パッド印刷になります。
10本程度であれば、インクジェット印刷。
作成する本数によっても、価格を考えていくと、技法の向き不向きが変わってきます。
・色数が多い商品については、インクジェット一択。
・色数が少なく、ロット数も少ない。けど、細い極細の線を表現したいのであれば、パット印刷。
基準が色々あるので、一概に、この方法一択で印刷できます!ってことが言えないのが、印刷の面白いところです。
下記内容について解説をしていきます。
・印刷方法の種類
・種類によっての向き不向き
・価格の変動はロット数に影響する
印刷方法の種類
インクジェット印刷
インクを噴射して印刷する方法。
※立体物や、少量のロット数(1,000個以下)のものに向いています。
→UV硬化インク、溶剤インク(シルク印刷で使っているインク)
シルク印刷
網の目のメッシュに乳剤を硬化させて、穴の空いている部分と空いていない部分を作り上げている。穴の空いている部分からペースト所のものであれば、インクとして使用可能。
※1,000個以上の量産物に向いている
→食紅、溶剤インク、水溶性インク、糊、薬品、乳剤、染料、蓄光塗料 その他
パッド印刷
スチール、樹脂製のプレートに硫酸等の薬品で凹みを作り、凹んだ所にインクを流し込み、そのインクを特殊な素材のシリコンを使い、転写する技法。
インクを凹んが溝に留めて、シリコンに付着ができれば印刷ができる。※要確認が必要
※1,000個以上の量産物に向いている
→食紅、溶剤インク、水溶性インク、蓄光塗料
種類によっての向き不向き
インクジェット印刷について
フラットベッドタイプであれば、3cmの凹凸でも印刷が可能。但し、ミスト噴射の為、離れている場所には拡散して、ボヤケた印刷に仕上がる。
UVインクジェットの場合、粒子の粒を硬化している為、塩ビ等の柔らかいものに印刷するとインクが割れます。
※4Cのインクで噴射するので、版が不要。カラー物・小ロットの場合、安価にできる
シルク印刷について
尖っているもの、凹んでいるものは苦手。印刷する道具は定規に付けたゴムベラ。
ある程度の凹凸は許容できる。凹凸の範囲1〜2mm未満を推奨
※平滑した場所への印刷が得意
※多色印刷が可能だが、その分、1色ごとに版が必要
パッド印刷について
凹凸の材料に対して得意。しかし、凹凸による歪みの補正が必要なので、複雑な形状に印刷する場合、版を作り直すことが日常茶飯事。コスト高くなりますが、印刷方法としてはマストな選択。
※印刷場所が平滑な場合は歪まず、印刷できます。
※インクジェット・スクリーン印刷と違い、0.07mm程の線も印刷が可能
※1C印刷の場合、安価にできる。
※多色印刷が可能だが、その分、1色ごとに版が必要
印刷の単価の出し方
①印刷するための原稿データの作成費用
・デザイン料(印刷するためには、図面から印刷位置を反映させる必要がある)
扱う商品にも変わってくるが、3,000円〜20,000円が目安
②インクを原稿通りに印刷する為の版代がかかる
シルク印刷であれば、スクリーン版が必要になる
CTS(デジタルスクリーン製版)【80、120メッシュが一般的】
コンピューターのデータを直接、スクリーン製版に出力するCTS(Computer to Screen)
価格的にはスクリーン製版費用が、「A4サイズの場合:900円〜2,800円」とサイズ・企業によって価格帯が違うので、見積もりで確認。
※紗を後付で留めるためのフレームの場合、別途購入が必要。
アルミの場合、6,000円〜12,000円程度を想定されると良い。
樹脂製の場合、2,800円〜8,000円(枠を再利用できる機構が備わっているものは高め)
※アルミフレームにボンドで直接紗を貼り付けて製版するのが一般的
フィルムを使用して製版する方法【80、120、270、350、420メッシュまで対応と幅広い】
製版に必要なフィルムが別途必要だが、フィルムの解像度が選択できる。2,400〜9,000dpiと高繊細なものが作成可能。費用もそれに伴って高額になる。価格としては、サイズで変動するが、「A4サイズの場合:3,000円〜」を目安にしてもらいたい。
スクリーン製版代については企業ごとで価格が違うので、見積もりを取って確認して下さい。製版するサイズで変動しますが、5,000円〜35,000円の価格と認識しています。
※アルミフレームにボンドで直接紗を貼り付けて製版するのが一般的
※アルミフレームは別途費用がかかる。
アルミの場合、5,000円〜15,000円程度を想定されると良い。
パッド印刷の場合、スチール版と樹脂版が必要なる
製版にも2種類存在していて、「解像度はそこそこでOK(商業系)1,200dpi程度」と、「高解像度が必要・網点でグラデーションを表現する必要(工業系)9,000dpi〜24,000dpi」とで棲み分けがあるので、製版の仕方については、用途によって製版の方法を選択する必要が出てくる
〜単価の出し方として〜
・原稿費用(デザイン原稿)
・製版代(フィルム・版代)
・印刷代(インク使用料)
・材料費用(印刷する商材)
※2〜5ps余分に購入。試し印刷や、印刷不備用に購入をオススメ
・梱包資材(OPP袋や、梱包用の箱、のし紙 等)
上記すべてを足して、納品に必要な個数で割ると単価がでます。
※200個必要な場合、予備も含めた205個の合計金額を算出し、200個で割った金額が単価。
価格の変動はロット数に影響する
原稿代、版代が20,000円かかる仕事の場合
・ロット数が10個と少なければ、原稿代、版代を単価に入れ込む価格の割合が増える。
(例:1本に含む版代の単価:2,000円)
・ロット数が1,000個を超えると、原稿代、版代(例:1本に含む版代の単価:20円)と単価に影響が少なくなる。
※100個〜500個以下の印刷代は、一定の印刷代として最低金額が決まっている場合が多い。
その他には、変動しない費用として、「材料代+梱包資材」がプラスされます。
印刷を施す場合、20,000〜50,000円は印刷の準備費用としてかかってくると認識を。