【現場話】印刷面が曲面な場合、印刷はどこまで可能なのか?

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こんにちは、Nao-birdです。
今回は、現場でのやり取りで若手に対して行った説明についてまとめます。

印刷面が曲面な場合、印刷はどこまで可能なのか?

具体的には、曲面の印刷においてどこまで可能か?について、お客様からの「水筒やタンブラーに印刷できるか?」との質問にどう答えるかに焦点を当てています。

曲面に印刷はできるか?については、印刷する素材曲面の度合いによる

曲面印刷については、印刷する素材曲面の度合いに依存すると説明しています。特に名入れ印刷の需要が高まる入学式や卒業式、お祝いの商品に関連して、個人の方が選択する商品としては主に「ボールペン」「万年筆」「シャーペン」「印鑑」が挙げられ、法人企業ではサーモスの「水筒」や「タンブラー」が商材として注目されています。

曲面の印刷が厳しい商品

曲面印刷は技術的に難しいケースもあります。たとえば、【ボールペン】を例に取り上げますが、その断面図に基づいて詳しく説明しています。
通常のシルク印刷設備では、曲がりくねった部分に印刷するのが難しく、特に細かい箇所には対応できません。円周に印刷する場合、範囲が狭すぎて難しく、文字の大きさも限られます。これは、使用される印刷道具であるゴムのヘラが水平な形状であり、細い曲面に対応できないからです。結局、曲面に印刷するには特殊な設備や経験が必要であり、通常のシルク印刷設備では難しいことが指摘されています。

曲面に印刷するためには、どのような手段が必要でしょうか?

一つの選択肢は、曲面印刷用の印刷設備を自作するか、
あるいは既存の設備を企業から購入することです。

総括すると、お客様が「水筒やタンブラーに印刷できるのか?」と質問した場合、曲面印刷用のシルク印刷設備を所有しているか、もしくは外部の経験豊富な企業を見つけることが重要です。印刷ができる設備があるからといって、誰でも良い品質で印刷できるわけではありません。問い合わせ時には、「できること」と「できないこと」を明確に伝えられる職人が必要です。「印刷の設備があるから安心」というだけでは、品質に問題が生じる可能性がありますので、ご注意ください。最近は増えてきたネット印刷も、仕上がり結果について慎重に注意が必要です。

曲面印刷で注意スべき点をサイト内のリンクページにて解説させてもらっています。
曲面印刷を考える上で必要な条件について

曲面印刷で多色物はできないと言われる理由について

曲面印刷で多色の物は難しいとされる理由は、具体的な例を挙げて説明できます。

例えば、​​【赤色・黄色・黒色】を使った印刷物を考えます。

  1. 一色目: 黄色のインクで印刷しました。
  2. 二色目: 赤色を印刷しようとすると、シルク印刷の版を交換します。円周状になっているため、開始の基準位置が分からないと印刷位置がずれ、結果として黄色と赤色の印刷物が意図した位置になりません。
  3. 三色目: 黒色を印刷しようとすると、色同士の重なり方がズレてしまいます。

印刷する対象物に基準印をつけることで印刷はできますが、仕上がりの美しさは職人の技術と経験に依存します。特に複雑に重なる色やデザインの場合、綺麗に仕上げるのは難しいです。重なりがない場合は問題なく印刷できますが、商品によって色同士の重なる部分にたいして、ズレ幅に個体差が出るため、不良率が上がる可能性があるので注意が必要です。

〜イラスト写真〜準備中

タンブラーの「曲面に名入れ」が嫌がられる。もしくは無理!と言われる訳

円錐形のタンブラーなどの複雑な形状には、印刷が難しいとされ、多くの場合「お断り!」と回答されます。この問題は印刷に使用される道具の形状に起因しています。通常、印刷には水平な形状のヘラが使用され、曲面の部分には印字できません。円錐タンブラーのような形状では、印刷面に凹凸があり、物理的にヘラが接地しない箇所では印字ができません。このため、円錐タンブラーのような形状では思った通りに印字が難しく、結果として印刷依頼が断られることがあります。

こうした難しい課題に対処するためには、職人の高い技術と経験が必要ですが、できないことはできません。しかし、シルク印刷以外の印刷技術を駆使して印字することは可能です。

ただし、このアプローチにはリスクとデメリットが伴いますので、印刷を委託する企業は注意深くデメリットについて確認することが重要です。

下記は余談です

〜私個人の日々の職場で、人の印鑑を間違えて使ってしまう、職場あるある〜
新入社員に対して渡す「シヤチハタの印鑑」って、外側から見ると、誰の印鑑がパッと見てわからないのが困ります。印鑑の外側の色味が単色で、皆同じなんですよね…。
なので、誰のともわからず、自分のだと思い込んで印鑑を押してしまう。
自分の作業机の近くに、私のではない他の人の印鑑が置かれていくと、遭遇するアクシデント。あるある話でした。

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